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業績改善のための行動科学

魚を通じてお客様に喜んでいただきなさい。→行動科学

4月は、魚屋でも新入社員が入ってくる時期です。

鮮魚部門に入ってくる新人には、3つのことだけまずは覚えなさいと言っています。

一つ目は、商品である魚をよく知ること。
二つ目は、その魚に強いこだわりや思いをもてるようになること
三つ目は、自分が食べておいしいと思った感動を伝えていくことで、お客様に喜んでいただくこうと心掛けること。

つまりは、「魚を通じてお客様に喜んでいただきなさい」ということです。このためにも、昼や夜には魚を食べに外に連れていきます。

食べてみてどう感じるか。何をどうしたらおいしいと感じるか。魚や食べること自体に強いこだわりを持てるか。自分が魚をよく知り、魚のおいしい食べ方を知  

り、味わって食べることで感動すること。そしてその感動をお客様に伝えることが大切であることを、一緒に魚を食べながら教えていくのです。

なぜ「魚を通じてお客様に喜んでいただきなさい」なのか?

 魚のことをよく知っていて、魚のことを愛している店員さん。

 魚のことはよく知らずに、魚のことをあまり好きではない店員さん。

 あなたはどちらの店員さんが売っている魚の方がおいしいと思いますか? どちらの店員さんから魚を買いたいと思うでしょうか?

特に、その店員さんが、魚のことをよく知っているだけではなく、自分が料理して、食べてみて、おいしかった経験から、「お勧め商品」と言っている場合。きっとさらに購買意欲が刺激されますよね。

自分で販売している商品やサービスの内容をよく知っていること。自分が販売している商品やサービスを愛していること。

そして、特に自らがその商品やサービスの愛用者である場合には、お客様は心を動かされる場合が多い。

この顧客心理は、売っている側が買っている側の目線をもっているため、どのようにしたらお客様に喜んでいただけるかという「顧客志向」がまさに貫徹されているところから生み出されています。

商品やサービスを販売している店員さんが、自分の感動を通じてお客様に喜んでいただこうと心から思っていることが伝わってきたとき。

相手が本当に自分のことを思って言ってくれたんだと思えたときに、人は共感を覚えます。そして、共感をもつと、相手のことを応援したくなり、その商品やサービスを自分でも使ってみようと思うようになる傾向があります。

売っている人に感動がないと、話している商品知識は「机上の空論」のように聞こえてきます。一方で、売っている人に感動があると、売っている人は商品知識を「体得」しているように感じてきます。そして、お客様もその姿勢に共感して、自分もその感動を共有したいと思うようになるのです。

「魚を通じてお客様に喜んでいただきなさい」とは行動科学の応用

「田中君は心構えがなっていない! もう一度新人研修を受けてきなさい」

 入社一年目の頃は、上司からたびたびこんな風に叱られたものです。新人のときは、ついつい仕事上の知識やスキルを先に覚えたくなるものですよね。でも木村課長は私に、「順番は逆なんだよ」と教えてくれていたわけです(すいません、心からのお礼を込めて課長の苗字だけ公開!)。

「魚を通じてお客様に喜んでいただきなさい」というのも、私が新人時代によく叱咤激励されていたのも、経営においては、心構えや考え方などに関係する行動科学や心理学が重視されているからなのです。

それでは、繁盛魚屋の新人研修でもそうであったように、経営において心構えや考え方が最も大切にされているのはどうしてなのでしょうか?

これを説明していくのに、とってもわかりやすい「経営の方程式」があります(図表2-1ご参照)。この方程式の考案者は、日本を代表する経営者の一人で、多くの啓蒙的な著作でも有名な京セラの稲盛和夫会長。

「仕事の結果」= 考え方 × 熱意 × 能力

稲盛会長は、仕事の結果を決定付ける要因のなかで、熱意や能力は0点から100点までの点数があるのに対して、考え方は-100点から100点までが存在するとしています。考え方とは、心構えや働く姿勢などを含めた人格や人徳のこと。能力がたとえ0点であったとしても、仕事の結果は最悪でも0点。もっとも、考え方のあるべき方向性が違っていると、お店や会社全体の成績は、マイナスの状態に陥ってしまう可能性もあることを示しているのです。

それでは、行動科学や心理学を使って、繁盛魚屋のケースをいっしょに考えてみましょう。

自分が魚を知り、魚を好きになり、おいしいと思い、その感動を伝えることでお客様に喜んでいただきたいと思っている店員さん。

普通の店員さんと比べて、私達はどうしてこういう店員さんから魚を買いたいと思う心理になるのでしょうか?

それは、コミュニケーションの送り手である店員さんにとっても、受け手であるお客様にとっても、「感動すること」が大きな分岐点になっているのです。

まず始めに、店員さんの側から考えてみましょう。

行動科学においては、人は普段の思い込みの枠から外れて、心から感動したときに、初めて対象である事象のことを本当に理解できると言われています。

つまりは、「腑に落ちる」とか「体感する」ためには、感動が不可欠。

何かを勉強していて感動するのは、実は本当に理解できた証拠でもあるのです。感動とともに身に付けた知識やスキルが、本当に「体得」したものなのです。

そして、感動とともに知識やスキルを身に付けた人は、自発的に行動するようになります。特に、その感動を人にも伝えていきたいと思って行動しているときには、さらにモチベーションが高まり、より大きな効果がもたらされると言われているのです。

それでは、お客様側ではどのように「感動すること」が大きな分岐点となっているのでしょうか?

それは、行動科学における「ラポール」の状態が、店員さんとお客様との間で自然と形成されているからです。

ラポールとは、共感すること。他の人と喜怒哀楽などの感情を共有すること。

共感することで、相手への信頼や友情などの好意的な感情が生まれるものとされています。

ラポールとは、フランス語で「橋をかける」という意味。「人と人の心の間に橋をかけること」や「心と心が通い合って共感が生まれること」が行動科学におけるラポールです。

そして、ラポールとはフランス語で「二人称」という意味。自分が話をしている相手のこと。

すなわち、「ラポール=共感を生み出すこと」の最大のポイントは、「相手の立場で考える」ということなのだと行動科学では言っているのです。

商品である魚のことをよく知り、その魚のことを愛し、その魚を本当においしいと思っている店員さん。そして、その感動をお客様にもお伝えしたいと思っている店員さん。魚を買って食べる側であるお客様の立場で考え、お客様にも自分が味わった幸福感を感じてもらいたいという姿勢に、お客様は共感するのです。

そして、共感することが、人が何かの行動を自発的に起こすためには最も重要なことなのです。共感することで、相手を応援したいという気持ちが生まれるのです。

行動科学の重要な一分野でもあるコーチングの世界では、「コミュニケーションの主体は、送り手ではなく、受け手にある」という考え方がとっても大切にされています。そして、この「主体は受け手にある」という考え方は、繁盛魚屋が新人研修を行う上でも、その他のビジネスの経営全般においても、知識やスキルに目を向ける前に、まずは最も大切なものなのだと思います。

「ノウハウの前に大事なのは人を喜ばせようという心なんだよ」

出来の悪い部下で今でも発展途上の私には、木村課長のありがたい口癖が今でもボディーブローのように効いてきます。

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NHK総合テレビ・NEWS WEB出演

10月30日のNHK総合テレビ・NEWS WEBにて以下の通りコメントが紹介されました。

引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

ありがとうございます。

田中道昭

フリップ:
「仲間と仮装する非日常感は、SNSの確実な『ネタ』 SNSの発達と相性の良さから若者を中心に急速に広がった」

井上あさひアナウンサーのナレーション:
ハロウィーンの急成長ぶりの背景として、マーケティングを専門とする立教大学ビジネススクール(大学院ビジネスデザイン研究科)の田中道昭(たなか・みちあき)教授は、 SNSとの結びつきを挙げています。

[田中道昭コメント]:
「仲間と仮装する非日常感は、SNSの確実な『ネタ』になる。 SNSの発達に加えて、ハロウィーンの仮装はSNS上で写真を共有したり拡散したりする行動に結びつきやすいという、 “相性の良さ”があることから若者を中心に急速に広がった・・・・・・・・・」

http://www3.nhk.or.jp/news/newsweb/#agoFri

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