4年前にPHP研究所から刊行した『2022年の次世代自動車産業―異業種戦争の攻防と日本の活路』の増刷が昨日決定いたしました。
業界分析・企業分析としては極めて異例の刊行4年後でのさらなる増刷。
PHP研究所によると、昨年12月14日のトヨタのEV計画発表、本年1月4日のソニーのEV事業参入発表などモビリティー分野での大きなニュースが相次いでいるなかで、昨年12月20日刊行『週刊東洋経済』“年末年始特集号2022年大予測”記事執筆、本年1月14日『日経新聞朝刊』“テック識者に聞く”インタビュー記事掲載等で同書への関心が高まったことによるものとのことです。
また同書で予測した『2022年の次世代自動車産業』の世界のかなりが実現していることからも注目を集めているとのことです。
使命感をもって日本の活路を示したいと刊行した480ページの著作。
“何が当たり、何が外れたのか”というよりも、4年前には4年後がどのようになると考えられていたのかなどに注目してお読みいただけるといいのではないかと考えております。
以下には全11章の概要を添付いたしましたのでご参照いただければ幸いです。
以上引き続きよろしくお願い申し上げます。
田中道昭
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クルマ、IT、電機・電子、通信、電力・エネルギー…
全産業の秩序を激変させる戦い。
覇権を握るのは誰か?
自動運転、EV、ライドシェア……「次世代自動車産業」をめぐるニュースが連日メディアを賑わせている。その覇権を巡る戦いは、自動車メーカーのみならず、IT、電機・電子、通信、電力・エネルギーなどのトップ企業がしのぎを削る“異業種戦争”といっても過言ではない。日本勢はどうすれば勝ち残れるのか。大学教授、上場企業の取締役、コンサルタントという3つの顔を持つ著者が、膨大な資料と独自の視点で「戦いの構図」を整理し、日本の活路を探る。
[目次]■序 章 次世代自動車産業をめぐる戦国時代の幕開け
・三つの「戦いの構図」
・テクノロジー企業の攻勢
・ルールの再整理が進められるドイツ
・「自動車強国」をもくろむ中国
・GMとフォードの逆襲
・電力・エネルギーや通信とのフュージョン
・いざ決戦。そのとき日本はどうなるのか
・経営者の哲学・想いから各社の戦略を読み解く
・自動車は人の命を預かる特別な製品
・「日本の活路」を探ること
■第1章 自動車産業の「創造的破壊」と次世代自動車産業の「破壊的創造」
・そもそも自動車とは何であったか
・業界構造の崩壊を示す証拠は枚挙にいとまがない
・自動車産業を取り巻く環境の変化を概観する
・「CASE」:次世代自動車産業の四つの潮流
・CASEそれぞれの勝負のポイント
・サービスがソフトを定義し、ソフトがハードを定義する
・「クルマ×IT×電機・電子」で考える次世代自動車産業のレイヤー構造
・次世代自動車産業における「10の選択肢」
■第2章 EVの先駆者・テスラとイーロン・マスクの「大構想」
・「モデル3」量産化や資金繰りに苦闘中のテスラ
・「人類を救済する」イーロン・マスクの大いなる使命感
・天才か、鬼才か、独裁者か
・クリーンエネルギー企業としての戦略構造
・「EV車はダサい」イメージを刷新するテスラ車の衝撃
・バリューチェーンで比較する従来の自動車産業とテスラ
・テスラは「ダーウィンの海」を越えられるか
・大手自動車メーカーによる「テスラ包囲網」
・「テスラに経営危機勃発」、そのとき支援する会社はどこか
・「世界のグランドデザイン」はイーロン・マスクが描く
■第3章 「メガテック企業」の次世代自動車戦略─グーグル、アップル、アマゾン
・メガテック企業、その強さの秘密
・メガテック企業の弱みと死角
・2009年には自動運転に着手していたグーグル
・モバイルファーストからAIファーストへ」変革進めるピチャイCEO
・グーグルのミッションからひも解く自動運転へのこだわり
・グーグルの自動運転子会社ウェイモの英文レポートを読み解く
・故スティーブ・ジョブズ以来の秘密主義を貫くアップル
・iPhoneと同じくOSからハードまでの垂直統合を狙うか
・アマゾンはまず自動運転車による物流事業の強化を狙う
・無人コンビニ「アマゾン・ゴー」と完全自動運転のテクノロジーは同じ
・究極のユーザー・エクスペリエンスとしての「アマゾン・カー」
■第4章 GMとフォードの逆襲
・「グーグルやテスラには負けられない」:二社の逆襲が始まった
・GM「2019年に完全自動運転実用化」のインパクト
・GM再生を主導する凄腕女性経営者メアリー・バーラCEO
・EVの黒字転換も「2021年までに」と公約
・ディスラプション(破壊的改革)に挑むフォード
・「自動車産業の経験なし」で就任したハケットCEO
・IDEO式デザイン思考によるフォードの破壊的改革
・ビジョンは「スマートシティを牽引する存在へ」
■第5章 新たな自動車産業の覇権はドイツが握る?─ドイツビッグ3の競争戦略
・「ディーゼルからEVへ」苦難をチャンスに変えようとするドイツ
・経営改革を進めるフォルクスワーゲン
・「三社連合」で次世代自動車に臨むBMW
・「CASE」で次世代自動車のあり方を示したダイムラー
・「カーツーゴー」でMaaSでも先行
・「MBUX」でユーザー・エクスペリエンス重視の姿勢が鮮明に
■第6章 「中国ブランド」が「自動車先進国」に輸出される日
・中国が、自動車「大国」から自動車「強国」へ
・国策プロジェクト、バイドゥの「アポロ計画」は
・世界最大最強の自動運転プラットフォームを目指す
・「中国のグーグル」、バイドゥとは何をしている会社なのか
・バイドゥの「アポロ計画」、徹底分析!
・バイドゥ版「アマゾン・アレクサ」、音声アシスタント「デュアーOS」はスマートカー、スマートホーム、スマートシティーのOSを狙う
・群雄割拠の中国EVメーカー
・中国政府の自動車産業政策
・中国市場の重要性
・「中国ブランド」が日米欧メーカーを超える日
・競争こそが優位性の源泉─「バイドゥのアポロ計画に負けない」:アリババ、テンセントの自動車産業戦略
・中国3大自動車メーカーが合併!?─さらに規模の経済を拡大し、ASEAN、欧米、日本市場を狙う中国
■第7章 「ライドシェア」が描く近未来の都市デザイン─ウーバー、リフト、滴滴出行
・ライドシェア=白タクという「作られた」誤解
・シェアリングが世界にもたらしたインパクト
・クレジット・テックとしてのライドシェア
・白タクやタクシーとの違いはここにある
・2020年までに3兆円市場に成長する見通し
・ウーバー、ユニコーン企業ランキング首位に
・「野蛮」な創業者と「優れた」ビジネスモデルのウーバー
・ウーバーの正体は「ビッグデータ×AI企業」
・都市デザイン変革の使命感に燃えるリフト
・ 中国市場からウーバーを追い出してみせた滴滴出行
・中国メガテック企業の主導権争い
・「トランスポーテーション・ネットワーク・カンパニー」としてのライドシェア会社
■第8章 自動運転テクノロジー、〝影の支配者〟は誰だ?─エヌビディア、インテル……
・自動運転実用化がスピードアップしている理由
・AIの「学習」と「推論」に不可欠なGPU
・自動運転の牽引者グーグルは誕生時点からAIの会社
・自動運転技術の三つのプロセス
・「察する」テクノロジー、センサー「3点セット」
・次世代自動車の「デジタルインフラ」、高精度3次元地図
・次世代自動車産業の「頭脳」、AI用半導体の覇権をめぐる戦い
・すでに〝影の支配者〟の存在感を示すエヌビディア
・インテル&モービルアイの猛追
■第9章 モビリティと融合するエネルギーと通信─再生可能エネルギーと5Gが拓く未来
・次世代自動車は、次世代通信と次世代エネルギーなしには成立しない
・再生可能エネルギーで進展する価格破壊─もはや石油・ガスより安い!
・限界費用ゼロ社会のドイツ─本業を切り離し、再生可能エネルギーに注力するドイツの電力会社
・EV車の燃料代がゼロになる社会
・EV化への対応をいち早く進めるエネルギー業界─エネルギー業界で進展する「三つのD」
・攻める再生可能エネルギーのプレイヤー
・守りから攻めへ、次の一手を打つ産油国と石油メジャー:脱石油・脱炭素に舵を切る
・次世代原発も再生可能エネルギーも強力に推進する中国
・日本では進まぬ再生可能エネルギーのコストダウン
・トヨタ×ソフトバンク×東電がフュージョンする─モビリティとエネルギーの融合
・次世代自動車産業は通信消費の大きい産業となる
・次世代通信5Gの導入スケジュールが前倒しになる
■第10章 トヨタとソフトバンクから占う日本勢の勝算
・「生きるか、死ぬか」トヨタの危機感の正体
・トヨタの大改革、始まる
・ダイムラーとの比較から探るトヨタの現在地
・それでもトヨタが勝ち残る理由
・EV追撃へオールジャパン体制で臨む
・トヨタ生産方式の競争優位は次世代自動車産業でも活かされる
・「人や社会を幸せにする」トヨタのロボット戦略
・CASEから占う「あしたのトヨタ」
・ソフトバンクの次世代自動車産業への投資全容
・事業家、投資家としての孫正義社長
・孫正義社長は何を目論んでいるのか
・日本でガラパゴス化が進む理由
■最終章 日本と日本企業の活路
・「ポスト東京オリンピック2020」の日本のグランドデザインをどのように描くのか
・東京オリンピック1964の検証
・ロンドンオリンピック2012の検証
・東京オリンピック2020で計画されていること
・東京オリンピック2020で起きると予想されること
・小国の戦略から学ぶ
・小国の戦略からの示唆
・日本の活路:10のポイント
・日本企業の戦い方